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第15回フリースクールレポート! 信藤三雄×安齋肇【ワークショップ編】
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第15回フリースクールレポート! 信藤三雄×安齋肇【ワークショップ編】

 

6月30日、イラストレーター・アートディレクターの安齋 肇さんをゲストに迎えたモーアシビーフリースクール

第1部トークショーの後は、場所をTERMINAL OkinawaCreativeSpaceに移して、主宰の信藤三雄さんと第2部ワークショップを開催しました。

 

第2部ワークショップ「安齋肇に学ぶイラストの描き方」

まずは、『安齋肇流のイラストの描き方を学ぼう』。

しょっぱなから「教えるほどの何かは持ってないんだよなぁ(笑)」という安齋さん。

「教えるというより、その人の可能性をグイグイ引き出して高めていって、最終的に『オレって天才かも!』と思って帰ってもらえるのがいいね」と、さっそくお手本を見せてくれることに。

 

「こんなふうに書いてみようかな」と、ペンをまっすぐに立て、先端をつまみ、わざと不安定な状況にして線を描いていきます。

 

 

「湯村さんはね、足から書いていったりするの。局部をていねいに書いてから全体を描くとバランスが悪くなる。それを狙うってことだね。バランスが崩れないとおもしろい絵にならないんだ」と、トークに続き、ここでも安齋さんから元祖『ヘタうま』イラストレーター、湯村輝彦さんのエピソードが。

 

「『オレはカメラじゃない。カメラと同じ目じゃつまらない。それぞれが持ってるデッサンで描くんだ』って湯村さん、よく言ってたね」(信藤さん)

「そう。『人は同じレンズを持っているとは限らない』ってね」(安齋さん)

 

 

信藤さんの似顔絵を描いていた安齋さんは、途中で「わあ! 全然似てない!」と自分でダメ出し。

「何が似てないか反省しよう。信藤さんの品のよさが出てないんだよなぁ。肩幅を細くするとおかしくなるね。鼻が長すぎた。目を入れてみよう。あ、だんだんみつおっぽくなってきた!」と、参加者が真剣に見つめる中で、描き進めていきます。

信藤さんは、携帯で自分の顔を撮影して、その写真を見ながら自画像スケッチ。

安齋さんから「ナルシストぶりが出ている」と突っ込まれていました。

 

2人の講師のお手本を見た後は、『実際にイラストを描いてみよう』。

参加者が、スケッチブックに自画像や似顔絵を描いていきます。

 

「自画像って自分がどう見られたいかっていう思いが入るよね」(信藤さん)

「俺ってこういう感じ~?っていう、それぞれが持ってるナルさ具合が出るね」(安齋さん)

 

安齋さんと信藤さんは、参加者の描いている絵を覗いて回りながら、「いいレンズ持ってますねー」「素直に書いている感じがいいね」と、感想を次々と。

全員が描き終わったところで、次は『講師のお2人からアドバイスをもらおう』。

1人ひとり順番に描いた絵を発表。安齋さん、信藤さんからコメントをいただきます。

「これはモテようとしている!」

「小学校から変わっていない絵って感じ。どう見られたいとか自意識がない。ほっとする」

「絵だけ見ると性格が悪そう! 人を斬りそう」

「これだけ手数が少ないのに、誰だかわかるってすごい! なるべく書かない省エネイラストレーター」

 

ほかにも……

「絵では目がきりっとしているのに、実際の本人は違う目。似てない絵ってのもおもしろい。路上で人の似顔絵描いて『私はこんなんじゃない!』って客に怒られるタイプ」

「上手でやんなっちゃう! うまくてつまらない! お金持ってる人と絵のうまい人はキライ!」

などなど、個性あふれる絵たちに、講師2人から笑いたっぷりのさまざまなコメントが飛び合いました。

信藤さんが「何かの賞がもらえそう」と語ったのが、赤ちゃんを描いた絵。

「赤ん坊のかわいさが微塵も出てないっていうゆがんだ感じが最高だね(笑)」と安齋さんも同感。

 

笑ったり感心したりの発表会ですっかり盛り上がった後は、いよいよ『オリジナルのトートバッグをデザインしよう』。

鉛筆で下書きをした後、まっさらなトートバッグにペンで一気に描き込んでいきます。

「MOI AUSSI BE」というワードを入れるという以外は、自画像や似顔絵に限らず、自由な発想で。

「下書きを念入りにしなくていいから、ある程度決まったら、本チャンを描いちゃいましょう」と安齋さん。

「初期衝動が大事」という印象的なアドバイス。

 

講師2人も、みんなと一緒にトートバッグをデザイン。

安齋さんは、信藤さんの似顔絵を、信藤さんは、目の前で参加者みんなが絵を描いている様子をデッサンしました。

完成後は、お披露目会。それぞれ、なぜこの絵を描いたのか、どんな思いをこめたのか、オリジナルトートバッグを見せながら発表。

 

一人ひとりに、講師2人からコメントをいただきました。

 

中には、「うっかり買っちゃいそう! 僕たちにはないものを持っている。勉強になりました」と絶賛された人も。

最後は、講師2人のオリジナルトートバッグをめぐって、みんなでジャンケン。

自作のトートバッグには、信藤さん、安齋さんのサインを頂いて、それぞれの表現がたっぷり詰まったスペシャルな作品ができあがりました。

笑って描いて、あっという間の2時間半。

「絵を描くと夢中になる。みんなで絵を描くと楽しいね!」と信藤さん。

まさに、そんな喜びを共有できた素晴らしいひとときでした。

 

 

PHOTO/HIROTA AOTSUKA

 

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